喉が渇いたと古泉に訴えると、奴は食い頃の梨を一つ手渡してきた。
皮も剥いていない、まるごとの梨。
きっとハルヒが目の前にいれば、しゅるしゅると綺麗に剥いて皿の上に並べてフォークに笑顔を添えて差し出してくるのだろうが、あいにくこの場には俺しかいない。
元来、料理をしない古泉は素の状態はとてもずぼらなことを知っていた俺は驚くこともなく、その梨を受け取った。
シャリっといい音をたててかじると、みずみずしい甘い香が辺りを漂う。
「うまい」
「よかった」
機関の知り合いに貰ったらしく、沢山あるから是非持って行ってほしいと言われ、俺は頷く。妹が喜ぶだろう。あいつは甘いものはなんだって好きなんだ。
梨は本当にみずみずしくて、俺の喉を気持ち良く潤してくれる。少し痛めてしまったのかもしれない。
…おい、そこで嬉しそうにするな。喉を痛める原因を作った張本人め。
「僕も食べようかな」
二人で裸のまま、だらしなくベットの上で梨を食べる。
梨はみずみずしい。
古泉がだらし無く食べるせいで、口から喉にかけて果汁が滴り落ちた。
白い喉に伝わるそれは、正直エロい。
俺の喉がごくりと鳴ったって仕方がないよな。さっきまでそんなこんなをしてたわけだし。
俺は梨を食う古泉に発情しちまったわけだ。
俺も男ってわけなんだな。
と、納得したところで、とりあえず奴を押し倒すことにした。